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自社株対策の基本的な考え方 事業譲渡・会社分割続き3
- 2013年07月29日
- こんにちは東京都文京区の税理士伊藤俊一と申します。
自社株対策として事業譲渡と会社分割を用いた方法の続きです。基本的に両社とも同じスキームを形成するための手法の選択肢であり、出来上がりやその効果は持株会社とほぼ同様になります。
(1)兄弟会社として形成する場合
後継者がメイン株主となるように新会社を設立し、本体会社の事業の一部(ほとんどは利益部門)をその新会社に譲渡する方法です。
効果は持株会社とほぼ被りますが、
・本体会社は利益部門が除外されるので、その評価は相続財産に影響を与えません。
・本体会社が利益部門以外に含み益のある資産を新会社に売却することで相続財産に影響を与えないようにします。この場合、売却益が生じるので課税されるのが本来ですが、グループ法人税制の適用により、課税も生じないことがほとんどです。ほとんどです、としたのは、持株会が一定以上の株式を有していた場合にはグループ法人税制の適用除外となるからです。
・相続発生後、納税資金対策のため、新会社で本体会社の株式の買取をします。結局、兄弟会社を作成しても、最終形態は親子会社になります。
(2)親子会社として形成する場合
本体会社が100%子会社を設立、その後、事業のうち利益部門を新会社へ譲渡。会社分割(分社型分割)により移転することも可能。
・子会社の方へ利益部門を移転するので、本体会社では今後の株価上昇を低減することが可能です。
・親会社(本体会社)が含み益のある資産を子会社へ移転することで、親会社(本体会社)の含み益による株価上昇を抑えることができます。含み益についての取扱いは上記(1)と同様です。
・本体会社の方で類似業種比準価額を利用できる水準を維持すれば、そもそも純資産価額方式を考慮する必要がありません。親子会社スキーム、持株会社スキームに共通することですが、上の会社が類似業種比準価額を利用できる水準に維持することは株価対策上、必要不可欠です。スキーム立案時から実行後までのモニタリング及びフォローアップは必ず税理士がしなければなりません。