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受益者連続型信託以外の信託を複層化した場合の評価(1)

2017年06月09日
信託財産から生じる利益は,すべて受益者が享受する。従って,信託は受益者に利益を与えるためにあり,信託財産は実質的には受益者に帰属すべきものということができる。
しかし,受益者は,信託財産につき直接に権利を有するわけではなく,信託財産の管理・処分につき直接に関与することができるわけでもない。受益者は,受益債権という受託者に対する債権を通じて信託財産から生じる利益を取得するのであり,基本的には,この受益債権を保全するために監督権能等を与えられているにすぎない 。では,この受益権について信託税制上,現行法ではどのような評価方法がとられているか。ここでは複層化された場合の評価方法について取り上げる。
もっとも租税法上の受益権の複層化の意義は明らかでない。一般的には収益受益権と元本受益権とに区分することだと思われるが,まずは当該検討から始めなければならない。従って信託法上,又は信託税制上どのように取り扱われているかを,また,検討の範囲を明確にする必要がある。
まずは信託法上の受益権の複層化についてである。そもそも信託法上は受益権を複層化した場合の定義はないことについては,前述した。それは信託契約において定められるべきものであり,仮にそれが問題になるのであれば当該信託契約を問題にすればよいという考え方である。そこで,信託法上においてそれに近い性格を有するものを検証してみる。受益権の分割と2人以上の受益者による意思決定の方法の特例についての規定である。

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