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アメリカ法における信託受益権の評価(1)

2017年07月15日
アメリカは信託先進国であるため,当然,その歴史を概観し,アメリカ法独自の考え方を俯瞰せねばなるまい。その独自の考え方の中でも信託を用いた租税回避とそれへの対処策に関しては参照すべき点が多々あり,最後の立法提言においても考慮すべき事項がある 。しかし,アメリカ法は,こと,信託受益権を複層化した場合の評価に関しては参照にならない旨の指摘は多数ある 。ここではアメリカ法の信託課税における基本的原則,考え方を俯瞰する。そして信託受益権の評価に限って言えば参照にならない旨を述べる。
アメリカ法の信託税制の根本的な考え方として,まず考慮しておくべきは,家族の為の受益権複層化信託は,それぞれの家族の事情に応じて設計されるので,金融商品のように税法の条文で一律に決めることができないという事実に基づき課税関係が決定される,という制度的背景である。そこでは,それぞれの受益者の有する信託受益権の内容に応じて,その保有とその帰属が決まると規定せざるを得ない。個々の信託契約の実質を見るわけである。当然,その信託契約における信託受益権の内容には経済合理性が必要であり,信託「ではない」とした場合の当該取引契約は通常の権利関係が想定されなければならないものでなっていなければならない。

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